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旅・USA

2008/07/05

CPA体験記(3)

受験からもう6~7年たっているので記憶違いもあると思うが、私が受けた試験の
中でも特にハードな体験だったので、肝心な部分はよく覚えている。

コンベンションセンターには体育館のような建物がいくつかあり、それが試験会場
になっていた。各会場には机と椅子がギッシリ並べられ、それぞれの席には受験
番号が書かれた紙と筆記用具それから電卓がおいてあった。

試験会場には何も持ち込めないと「注意書」に書いてあったので、小銭と受験票と
筆記用具だけを持って行った。それも会場に入る手前で係員に預けさせられた。

午前の科目は「監査論(Auditing)」で、試験時間はたしか3時間半だったと思う。

カリフォルニア州の受験要件では、最低2科目以上受験しなければならない。
でも多くの州では同時に全科目(4科目)を受験しなければならないので、
カリフォルニア州は条件が楽なのだ。
いくら財務会計以外は申し込むだけと言っても、受験料はバカにならないもの。

私の目標は「財務会計」だけだったので、同じ日に行われる「監査論」をセットで
申し込んだ。これなら一日で試験は終わるし、それに監査論は財務会計とかなり
共通する部分があるので、ちょうどよい予行演習になると思ったのだ。

試験開始30分くらい前には席につき、注意や説明が行われたが、何せ英語で
ペラペラ喋るものだから、ほとんど理解できなかったような気がする。

午前の「監査論」は軽く流しcoldsweats01、お昼をはさんで本番の「財務会計」に
臨んだ。ランチは会場内のワゴン販売でホットドッグとコーヒーを買った。

「財務会計(Financial Accounting and Reporting)」はCPA試験のメインの
科目なので、試験時間も4時間半と長い。
この間トイレにも行かず(もちろん行くことは出来るが、かなりの時間ロスとなる)、
ひたすら窮屈な椅子に座って問題と取り組まなければならない。
体調が悪かったら「エコノミークラス症候群」になってしまうわ。

最後のほうには「エッセイ」という問題があって、英語の短文で回答を書かな
ければならない。日本人はこの項目がいちばん苦手なんじゃないかしら。
私はできるだけ文章を少なくし、グラフなどを書いてごまかした。

でも4時間半の試験時間を長いとは感じなかった。
だって時間が足らず、全問題の回答はできなかったんだもの。

試験からだいぶたって「結果」が送られてきた。点数は75点。
合格点は75点以上なので、財務会計に関してはギリギリ合格したことになる。
好奇心で受験したにしては立派な結果だよね~。(←自己満足)

これで私のCPA体験は終わった。
その後日本商工会議所が主催している「国際会計検定(BATIC)」も受けて
みた。この検定は「アメリカ会計基準」に基づいて行われているので、CPAの
「財務会計」テストの内容とほとんど同じなのだ。
(英語と日本語の財務諸表の書き換えだけが異なる)

結果は757点と、CPAの点数とほとんど同じレベルだった。
いまBATICを受験したら、とてもこの点数はとれないだろう。
CPAテストの後だったから、BATICにも対応できたんだと思う。

CPAテストでは問題文を読み返している時間がないので、とにかくはやく
正確に一度で理解しなくちゃならない。
だから英語を読む力は向上したように思う。
英文会計のほうは、使う機会がなくてだいぶ忘れてしまったけど。

これからCPAテストを受けようという人に、私がオススメする学習方法は、
「Wiley CPA Exam Review 」という電話帳ほどの厚さの問題集を徹底的にやる
ことだ。

1cpaexamfinancebk08

この問題集には、本番の試験と同じような問題が載っているだけでなく、回答と
なぜそうなのかの解説が簡潔な英語で書かれていて、テキストを読むよりずっと
参考になる。
この本は丸善でも売っているが、Amazonなどネットで購入したほうがだいぶ安い。

「勉強したいけど、何をしたらいいか分からない」という人がいたら、騙されたと
思って英文会計を勉強してみてください。英語に慣れるだけでもメリットがあると
思うよ。

ところで日本商工会議所のBATICは国際会計検定と称しているが、正確には
アメリカ(USA)会計基準にもとづいている。「国際会計基準」というのは他に
あって、ヨーロッパや中国などが採用しているらしい。

日本はどうなっているのかな?
アメリカ会計基準は多少理解できたけど、日本の現状については分からない。
私がCPA試験で勉強した内容を、今日本が後追いしているって気がするけど、
最近さっぱり勉強しないから判断できないわ。weep

国際会計基準とアメリカ会計基準ってずい分違うんだろうか?
まあ日本はどっちみちアメリカ追従なんでしょうけど。

P.S. ところでCPA試験の受験方法は、その後だいぶ変わったようです。

2008/07/04

CPA体験記(2)

サンフランシスコからサクラメントまで、グレイハウンドバスで3時間くらい
かかっただろうか。6~7年くらい前の話なので、今はもっと便利になっている
かもしれない。

サクラメントは、州都とはいってもシスコより規模は小さく、緑の多い整然と
した都市だった。でも今は街をのんびり散策などしていられない。
バスターミナルの前でタクシーをひろい、住所を書いた紙を運転手に見せて、
何はさておいてもホテルに向かった。

015
(サクラメントはゴールドラッシュ時代に栄えた町で、その当時の町並みを保存
したオールドタウンがある)

013
(この鉄道博物館が有名なようだ)

州庁舎などがあるダウンタウンから車で15分くらい行ったところに、うっそうと
した森のようなコンベンションセンターがあり、近くには巨大なショッピング
モールもあった。このあたりはニュータウンというイメージ。

ホテルもここにあった。試験会場から徒歩で行けそうなところを、自分の勘を
たよりにネットでさがしたのだが、いつもは外れる私の勘も、この時だけは
当たっていた。

でもコンベンションセンターの敷地は広すぎて、おまけにこんもり生い茂った
木々に囲まれていて、どこから入るのか、試験はどこで行われるのか、見当が
つかなかった。

それで、ホテルに荷物をおいてから、さっそく探検にでかけた。
あっちこっち迷いながら、何とか入口を見つけ出したときにはホッとした。
ホテルからセンターの正面玄関まで、徒歩30分はみたほうが良さそうだ。

ホテルは、中庭をはさんで木造2階建ての棟がいくつか並んでいて、まるで
寄宿舎のようだった。見るからに安普請という感じで、竜巻がきたらこっぱ微塵に
吹き飛ばされそうだ。
でもアメリカに詳しい人によると、このようなモーテルがアメリカには多いんだとか。

建物は安普請でも、フロントのカウンターには無料コーヒーサービス、部屋には
キッチンとコーヒーセットが揃っていて、場所と部屋代を考えれば御の字だった。

このホテルの宿泊客は、試験を受けにきたアジア人、ビジネスマン、修学旅行の
子供の団体など、バラエティに富んでいた。

私はここに5泊したのだが、部屋でゴロゴロしていると勉強にならないので、
いつも午前中に北米最大というショッピングモールに行き、朝はカフェ、昼は
フードコート、午後はまたカフェで、問題集を開いていた。
でも居眠りしている時間のほうが長かったけど。

017
(フードコートで食べた日本食。ご飯だけが日本食らしい)

カフェの合間には、2階だてのショッピングモールを、すみからすみまで
歩き回った。おかげでインフォメーション係りになれるくらい、どこに何が
あるか覚えたわ。

このショッピングモールには、超がいくつもつくほど肥満の人たちがたくさん
来ていた。テレビでしか見たこともないような体型の人ばかりで、人間の身体が
あんなになってしまうのかとショックだった。

家族が運転する車に乗ってきて、モールの長い通路を杖をつきながら歩いたり、
ベンチに腰をかけたりして日がな一日過ごし、夕方家族が迎えにくるとまた車で
帰っていく。

このショッピングモールがなかったら、彼らは一日中家に閉じこもっているしか
ないだろう。動くのもやっとなのだから。
でもここなら、交通事故の心配もないし、食事もできるし、トイレもあるし、
いざとなったら助けてくれる人もいる。しかも無料で利用できる。
ショッピングモールにはいろんな利用価値があるものだと、感心した私だった。

こうして観光気分でぶらぶらしているうちに、試験日がやってきた。

2008/07/03

CPA体験記(1)

私は取り立てて優れたところはないけれど、(←これは自信を持って言える)
好奇心だけは普通の人より旺盛だと思う。

海外一人旅に出るのも、やっぱり好奇心のせい。
「まっとうな人間じゃない」と思う人もいるでしょうね。

それから、役に立つか立たないか考えもせず、いろんな通信教育を申し込ん
だりするのも好奇心のせいだと思う。

新聞広告を見て、いきなりその気になり授業料を振り込んでみたものの、教材が
届く頃にはすっかり関心がなくなり封も開けない、なんてこともあったwobbly

でもいろいろやっていると、少なくとも脳のトレーニングにはなるし、まったく
知らなかった知識も少しは身につくし、うまくいけば実益にもなるので、これ
からも貧乏人のムダ使いは続くだろうな~。

数年前に福祉施設で働く機会があった。
そのころから医療とか介護とかに関心があって、またこの分野は年齢に関係なく
ずっと働けるところが多いときいたので、できたら就職したいと思っていた。

でも医療関係となると、経理や総務事務だけでなく、レセプト作成などの医療
事務もできなくてはならない。それで昨年から某学館の通信教育を受けて、今年
何とか修了し、検定試験にも合格した。

これなんか、医療のシステムや用語など今まで無縁だった知識を得ることができ
たし、今度関連のある仕事をすることにもなったので、プラスだったいえる。

ところで私の通信教育歴のなかで、もっともお金と時間と労力がかかったのが、
英文会計の勉強だ。英語が上達する良い方法はないものかと考えて、思いついた
のが「英文会計」の学習なのだ。

でも日本には適当な講座がなかったので、USCPA(アメリカ公認会計士)試験を
ターゲットにし、4科目ある試験項目のうち、日本でも役に立ちそうな財務会計
(Financial Accouting & Reporting)だけを勉強することにした。
目標はCPAでなく英語の上達なのだから。

CPA試験は各州で受験資格などが異なるので(試験内容は同じ)、もっとも条件が
ゆるいカリフォルニア州で受験することにした。

ネットで申し込み、必要書類を郵送し、航空券の手配やホテル探しと、いろいろ
面倒だったけど、けっこう面白かったわ。

055
サンフランシスコ

航空券はサンフランシスコまでマイルで貯めた無料航空券を使い、そこから試験が
ある州都サクラメントまではグレイハウンドバスで行った。

009
シスコのグレイハウンドバスのターミナル。少し怖い雰囲気。

困ったのはサクラメントの情報が無かったこと。
観光地じゃないのでガイドブックには載っていないし、観光局に行っても何の
資料も貰えない。ホテルはネットで予約したが、その場所がどの辺なのかも分から
ない。現地についてから、タクシー運転手にまかせるしかないと観念した。

2008/06/14

わたしの「世界ふれあい街歩き」NY(3)

自由の女神やエリス島へ行くフェリーは、マンハッタンの最南端にあるバッテリー
パークから出る。

Usa2005_111

また世界経済を牛耳るウォール街もこの近くにあるので、フェリーを下りてから
歩いて行ってみた。

Usa2005_112

この日は休日だったので、ウォール街にビジネスマンの姿はなく、ひっそりとして
いた。

Usa2005_1092

NY証券取引所はウォール街の象徴であり、アメリカ経済のみならず世界経済の
中枢でもある。でっかい星条旗がかかげられたこの建物から、どれほどの成功と
挫折のドラマが生み出されたことか。

Usa2005_117

でも最近は、豊富な物に象徴されるアメリカ型資本主義にも、翳りが見えるように
思える。経済にも株にも素人の私なので、きちんとした裏づけがあるわけでは
ないが、地球温暖化や食料品・石油価格の高騰など、日々暮らしのていくなかで
社会がきしんでいるような気がするのだ。

少し前にNHKで「ハゲタカ」という番組が放映された。
普段はあまりドラマを見ない私だが、この番組は面白くて、とくに大森南朋演じる
主人公の鷲津政彦をすっかり好きになってしまって、DVDまで買った。

こ番組で描かれていたのが、M&Aをしかける外資系ファンドの非情なやり方と、
そのために人生を狂わせてしまう一般の人たちだった。

このドラマがどれだけ事実に近いか分からないけれど、多くの人々の犠牲のうえに
ほんの一握りの人が大金を手に入れる社会なんて、いつか必ず破綻するような気が
する。

強がりでなく「そんな大金は欲しくない」と思うし、何もかも手に入れたいと
思ったらキリがないから、心が不安定になってしまうんじゃないかしら。
でもしょせん貧乏人の私に、金持ちの心理は理解できないわね。

ウォール街を抜け、9.11テロで大きな被害を受けた「グランドゼロ」まで歩いた。

Usa2005_119

現場は片付けられ、衝撃的なテロを思わせるものは広大な空間だけだった。
アメリカはここにWTCよりも高層のビルを建てるという。
「力には力で対抗する」というアメリカらしいプランだが、そういう社会に危うい
ものを感じるのは私だけだろうか。

ともあれNYの街歩きは、今の時代についていろいろ考えさせてくれるのだった。

2008/06/05

わたしの「世界ふれあい街歩き」NY(2)

アメリカは車社会だが、NYだけは地下鉄やバス路線網が発達していて、一人でも
らくらく旅することが出来る。

Usa2005_011
地下鉄のチケット販売機。

Usa2005_129

この日は自由の女神見学をすることにして、まず地下鉄でフェリー乗り場まで
行った。

Usa2005_091
フェリーに乗る人の長い列。

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フェリーの中では、自由の女神が被っているヘアバンドみたいなものを売って
いる。

Usa2005_102

自由の女神を一度は見ておこうと足を運んだのだけれど、私はその後で行った
エリス島の「移民博物館」のほうに強い印象を受けた。

エリス島には移民局があり、移住を希望する人々はここで審査された。
その頃の施設や使われた品々、写真などが展示されている。

Usa2005_105

みな命をかけてアメリカにやってきたのだ。
必死に生きようとする人たちの真剣な瞳が心をうつ。

アメリカ入国が認められても、その後の暮らしは決して楽ではなかった。
日系人には第二次世界大戦時の強制収容という試練もあった。

Usa2005_106

今の日本もそうそう楽に生きられる社会じゃないし、いろいろ不足不満もある
けれど、生きるか死ぬかで海を渡った人たちや、否応なしに戦争に駆り出され
死んでいった若者たちのことを思うと、ぜいたくは言えないと思うのだった。

2008/06/01

わたしの「世界ふれあい街歩き」NY(1)

NHKの「世界ふれあい街歩き」をいつも楽しみにしている。
もともとはBSハイビジョンの番組なのだが、NHK総合でも日曜日の深夜に
放送するので、私はいつもこちらを見る。
もっと早い時間帯にしてほしいなあ。

私もこんな風に見知らぬ街をぶらぶら歩くのが好きだ。
世界のどこにも人々の暮らしがあり、ふつうの平凡な日々が繰り返されている。
そんな街角で、思いがけない光景を目にしたり、お洒落なレストランを見つけたり
しながら、観光名所に行くでもなく、これといった目的もなく、一日をすごす。

そんな「わたしの街歩き」をときどきご紹介します。
まずは、街歩きしがいのある「ニューヨーク」からです。

~~~~~~~~~~~~

NYはホテル代が高い。
安いところもあるが、治安に不安があったり、交通の便が悪かったりで、私の
ような一人旅にはふさわしくない。

そんな条件をいろいろ考えて決めたのが、韓国人街の中にある安ホテルだった。
安ホテルといっても1泊1万円くらいしたけど、マンハッタンのど真ん中で、
エンパイヤステートビルのすぐ近くという立地を考えればお得だ。

NYはご存知のとおり「民族のるつぼ」。
最近は「るつぼ」でなく「モザイク」などと言われているが、(つまり多くの
民族が溶け込むのでなく、それぞれ集団でかたまっている)どちらにしてもNYの
魅力はこの多民族性だと思う。

日本人にとって、コリアンタウンの有難いところは、食事に困らないという点だ。

Usa2005_077

当然のことながら韓国料理店が軒を連ねているが、たいていのレストランは韓国
料理だけでなく日本料理もメニューに載っている。
どれが日本料理でどれが韓国料理かわからないアメリカ人もたくさんいるだろうな。

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私が食べた定食は、韓国料理らしくおかずが盛りだくさんで、おまけにお寿司や
味噌汁までついていた。

Usa2005_017

大きな民族街といえばチャイナタウンだ。世界各地の大都会には必ず中華街があり、
もちろんNYにも存在感たっぷりのチャイナタウンがある。
ただでさえ賑やかなのに、昨今の中国の経済成長の影響で、ますますエネルギッ
シュな街になっていた。

Usa2005_054

チャイナタウンのすぐ隣にはイタリア人街の「リトルイタリー」がある。
中国とイタリアは私の2大旅行先。この二ヶ国の都市や街には何度も行っている
ので、NYでチャイナタウン&リトルイタリーに行くのをとっても楽しみにして
いた。

Usa2005_064

でもリトルイタリーはチャイナパワーに押し捲られていて、何だかすっかり上品な
街になっていた。貧しい移民の代名詞みたいに言われていたイタリア移民も、
アメリカで富をたくわえ、すっかりメジャーになったんだなぁ。

2005/09/22

アメリカという国

カリフォルニア州のサクラメントに2週間ほど滞在したことがある。

サクラメントはシスコやロスなどと違って、よく手入れされた瀟洒な住宅が並ぶ
美しい都市で、西部開拓時代の町並みを保存したオールドタウンや、広大な森に
囲まれたコンベンションセンター、そして北米最大のショッピングモールなどが
あった。

_015s

私はサクラメント滞在中毎日このショッピングモールに行ったが、ここで何より
驚いたのは、モールで見かけた多くの超肥満の人達だった。

彼らは家族に車で送り迎えしてもらい、まるで会社に通うようにこのモールに
やってきて、覚束ない足どりで通路を歩いたりベンチに座ったりして一日を過ご
していた。

私はそれまで、こんな超肥満の人を、しかもこんなに沢山見たことはなかった。
ここにいたら中年太りの私が細身に見えてしまう。
アメリカはやっぱりマトモじゃないと、その光景を見ながら思った。

このショッピングモールにはファーストフードのお店が並ぶレストラン街があり、
私もよく食事したりテイクアウトしたが、いつもプラスチックの容器にナイフ、
スプーン、山のようなナプキンを付けてくれた。

日本のレストランのナプキンがティッシュペーパーだとしたら、ここのレスト
ランのナプキンは分厚いバスタオルみたいだった。

「勿体ないな~」と、私はいつも後ろめたい気持になったが、アメリカの人たちは
何の疑問も感じていないようだった。

これらはすぐゴミになるわけだが、その捨て方がまた豪快というか何というか、
ポリ袋を敷いたでっかいゴミ箱に、分別なんか関係なくボンボン捨てていくのだ。

私がアメリカでゴミ分別しているのを見たのは、ヨセミテ国立公園内のレストラン
だけだった。

_018s
ヨセミテ。アメリカは雄大な自然の宝庫でもある。

あんなにタバコには神経質なアメリカ人が、地球環境を守ることに関しては驚くほど
鈍感で無関心なのは何故なんだろう?
優秀な人が沢山いるはずなのに、誰も指摘しないのは何故なんだろう?

ハリケーン「カトリーナ」の傷跡がまだ生々しいというのに、もう次の大型ハリ
ケーン「リタ」がテキサスに向かっていて、130万人の住民に避難命令が出たと
いう。

地球温暖化とこのハリケーンには何の関係もないと、今もアメリカ人は思って
いるのだろうか。

2005/07/31

NYのミュージアム(2)

思いついたものの、チャイナタウンはダウンタウン、メトロポリタン美術館は
アッパータウンだから、マンハッタンを横断しなくちゃならない。
地下鉄とバスを乗り継いで、ふうふう言いながら午後4時ごろやっと到着し、
閉館は5時半だからノンビリしてはいられないと、受付で貰った簡単なマップを
片手に、急いで「European Paintings」の部屋に向かった。

美術館は広大で目指す部屋を探すのが一苦労なうえに、途中には見過ごすことの
出来ない絵画が目白押しで、時間がいくらあっても足りない。
それでもVermeer(フェルメールのスペルはフリック・コレクションで知った)の
有名な「水差しを持つ女」など何点かにたどり着くことが出来た。

ここのフェルメールは筆の跡がよく分かった。
どちらにしてもフェルメールの絵には静かなドラマがある。
誰の人生にもドラマがあるように、フェルメールの絵のドラマは日常の一瞬を
捉えたささやかなものだ。静かなドラマと言えようか。

5時を過ぎると美術館のスタッフはもう帰り支度を始め、「さあさあ出口はこちら
ですよ」と急き立てる。「まだ15分あるじゃないの~」と時計を見ながら憤懣
やるかたない私。「あ~、やっぱり朝から来ればよかったな~」と、自分の計画性
のなさを嘆くのだった。

でもちょっとばかりラッキーなこともあった。
戻る途中で何気なく通ったのがカラヴァッジョの部屋だったのだ。
これだけの美術館だからカラヴァッジョの一つや二つあるだろうとは思っていたが、
詳しい資料が手元になく探すのを諦めていた。

それだけに見覚えのある絵画を目にした時の喜びはひとしおだった。
カラヴァッジョといってもここにあるのは大聖堂を飾る大作ではない。
少年を描いた絵画など明るい小品が多く、カラヴァッジョが逃亡する前に描いた
ものだろうと想像した。

カラヴァッジョの魅力はあのおどろおどろしい臨場感だろう。
フェルメールの絵が静かな向田邦子風ドラマなら、カラヴァッジョの絵はダイナ
ミックなオペラ風ドラマだ。でもここにあるカラヴァッジョは大聖堂に掲げられた
ものと異なり、少年の白い肌が艶かしい明るい絵だった。
絵には画家の心象が深く関係しているんだろうな。

前のNY旅行でもメトロポリタン美術館には来たのだが、何から何まで見ようと
してかえって印象が薄くなったきらいがある。
ミュージアム巡りは欲張らず計画性を持つことが大事だとつくづく思うのだった。

NYのミュージアム(1)

どこでもミュージアム巡りは旅行の楽しみだが、個性的で中身の濃いミュージアム
がたくさんあるNYとなると、何から何まで見るわけにはいかない。

今回はまず新装成ったMoMAに行った。
それから恐竜の化石が壮観な「アメリカ自然史博物館」、ここは前回行けなかった
ので是非とも行ってみたかった。
スケールが大きいし、ビジュアルな展示で分かりやすい。
午前の開館と同時に入ったので館内は空いていて誰もいない展示室も多かった。
お子さん連れにオススメ。

でも最大の収穫は「フリック・コレクション」だ。
あまたあるミュージアムの中からここを選んだのは、フェルメールの作品が3点
あることと、所有者の遺言で作品の持ち出しが禁止されいている、つまりここで
しか鑑賞することが出来ないという理由から。

結局のところ、どの名画も日本に貸し出されるのはほんの一部でしかないのだが、
やはり門外不出という脅し文句は効く。そこに行かなければ見ることが出来ない
のだから、せっかくの機会を逃してなるものかと思ってしまうのだ。

でもどんな理由があれ、フリック・コレクションを見ることが出来て幸せだった。
フリック・コレクションはフリックという大金持ちのコレクションを集めた個人の
美術館で、その邸宅も鑑賞の対象になっている。大金持ちの邸宅ではあるけれど、
決して華美ではなく、随所に趣味の良さを感じさせるお屋敷だった。

入館は原則として成人限定で、無料で音声ガイドを貸してくれる。
日本語音声ガイドもあった。

入館者を大人に絞っているので館内は静かだ。
私も音声ガイドを全部聞いた。でも音声ガイドってのは良し悪しだと思う。
たしかに知識は増えるし、作品の背景を知ることが出来るので理解は深まるが、
聞くことにかなりのエネルギーを使うので疲れきってしまうのだ。

ここで印象に残ったのは数々の肖像画。
描かれた人物の性格、境遇、未来までもが、絵の中に閉じ込められているような
気がして、ハッとしてしまう。
それが名画といわれる所以だろうけど、やはり素晴らしい。

フリック氏は静かな風景画がお好みだったようで、そのあたりは日本人趣味に
合っているかも知れない。邸宅にはパティオもあって、そこでしばし休憩して
いると、まるでローマにいるような錯覚に陥るのだった。

このフリック邸にはカフェがなく、とにかく芸術鑑賞に専念するのみなので、
行く前にコーヒーなど飲んで英気を養ったほうが良いと思う。

ところで肝心のフェルメールだが、顔をくっつけるほど間近で見て、ちょっと
驚いたことがある。

フリック氏が最後に購入したと言われるフェルメール「「Mistress and Maid」
まるで絵画とは思えないほど綿密に色が塗られていて、何度見直しても筆の跡が
分からないのだ。まるで写真のよう。

筆のタッチがその絵の魅力という場合もあるので、こんなにも丹念に塗られる
ことに意味があるのか分からないが、私はこの絵を見てぜひ他のフェルメールも
見たいと思った。フェルメールの絵ってみんなこんなに綿密に塗られているのか
しら。

大阪のフェルメール展で「真珠の首飾りの少女」(別名、青いターバンの少女)
を見たが、まあ日本の展覧会にしては間近で鑑賞できたほうだけど、それでも
顔をくっつけて見ることは出来なかった。だからド近眼の私には筆遣いまでは
分からなかったのだ。

そんなこともあって、NYの最終日それも午後になって、急遽メトロポリタン
美術館に行くことにした。
SOHOで買う予定だったイヤリングが見つからず、チャイナタウンでがっかり
しながら昼食を食べていた時、いきなり思いついたのだ。

2005/07/24

DEAN&DELUCA

丸の内にあるNYのグルメ・デリでエスプレッソを飲んで来ました。20050724134059.jpg