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2014/02/15

家でゴロゴロ時代小説

昨日の午後から降り始めた雪は、夜中にだいぶ積もったようだった。
夜中に稲妻が光り雷鳴が轟いた。そのすぐ後でサイレンの音がいくつも聞こえた。
ちかくに雷が落ちたのかと思った。

故郷では冬の入口にさしかかると雷が鳴る。それを「雪降ろし」と呼んでいたのを
思い出した。その雷が鳴ると、雪の季節がやってくるのだ。

翌日は雨になり、やがて上がって日も差していたが、足元が悪いのは目に見えて
いるので外出する気になれず、ざっと部屋掃除をして適当に食事をして本を読ん
だりして過ごした。

読んでいるのは、「刺客~用心棒日月抄」(藤沢周平)と、写真中心の「深川江戸
散歩」(藤沢周平がエッセイを載せている)という本だ。
「深川江戸散歩」はだいぶ古いらしく、掲載されている地図にはまだ木場公園が
ない。

この写真本に藤沢周平の文章が載っているのは、彼が書く時代小説の舞台の多くが
この辺りだからだろう。藤沢周平は「江戸切絵図」などを見ながら小説を書いた
ようで、必ずしも現在の墨田区や江東区に土地カンがあったわけではないようだ。

Photo
(江戸の大動脈は運河だった。小名木川付近の敷石にも描かれている)

でもこの近辺に土地カンのある私にとっては、やはり地名や町の雰囲気を現在と
つい結び付けてしまう。それが読む上での楽しみにもなっている。

Photo_2
(小名木川にかかる扇橋閘門)

余談だが、時代小説や時代劇には「運河」や掘割が重要な舞台として登場する。
家康は政治家であるだけでなく、都市計画者でもあったのだと、しみじみ思う。

何冊か読んだ藤沢作品の中で、もっとも面白かったのが、この「用心棒シリーズ」
だ。図書館在庫の都合上、最終章の第4弾を先に読んでしまい、この第3弾の
「刺客」が最後になった。物語は前後してしまったが、いちばん読みやすく面白
かったのが、この「刺客」と長編の最終弾「凶刃」だ。

この小説の主人公は訳あって脱藩し江戸にやって来た浪人だが、脱藩したのだから
藩から生活費を貰うことができない。それで江戸の個人派遣会社である口入屋から
仕事を斡旋してもらうのだが、その主な仕事内容が用心棒というわけなのだ。
「家政婦は見た」の江戸用心棒バージョンってとこ。

食い詰めた浪人たちが口入屋に仕事を探しにくるところなど、現代の社会情勢
さながらで、親近感を感じたり身につまされたりする。主要登場人物も個性的で
簡単にイメージが浮かんでくる。藤沢の柔らかい文章が、読みやすくて楽しい。
また武士と市井の人々、江戸と地方(主人公は東北の小藩に属す)が登場し、
江戸と国元を行き来する人々が千住宿を通る様子が出てきて、最近千住を歩いて
きた私は、ますます興味が強まるのだった。

「刺客」(新潮文庫)の解説を、先日亡くなった常盤新平が書いていた。
常盤新平といえば、「池波正太郎の江戸・下町を歩く」というエッセイを読んだ
ことがある。常盤新平は英米文学翻訳者でもあるけれど、江戸時代小説のファン
でもあった。「刺客」の解説で「チャンドラーやハメットよりも藤沢の小説が
好き」と書いている。

ま、時代小説を読んで近所への関心が強まっているうちに、おおいに歴史散歩して
おかなくちゃと、心を新たにした私だった。
(写真をクリックすると拡大します)

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「深川江戸散歩」には 木場公園が のっていないのですか。
だとしたら ずいぶん 古いですね。
一度 読んでみたいです。
近くの 図書館を 探してみます。

切絵図や古い写真などを見ながら時代小説を読むと、いっそう楽しいです。これは「とんぼの本」という写真とエッセイの本です。この辺りはどんどん変貌していますから、古い写真は貴重ですね。ときどき見たいので、買ってこようかと思っています。

「家政婦は見た」の江戸用心棒バージョン、読みたくなりますね。
年を重ねて、違った視点で時代小説読めるのも楽しみですね。
たぶん建築や都市計画に携わってないと、水路や運河のインフラまで読み込まないでしょう。

リスボン行った時、リスボン大地震で壊滅的被害がでたと聞きました。
それにより大航海時代の先駆者から没落していったと。
学校で歴史学んでる時、教師が詳しければ触れてくれるけどまず聞きませんよね。

日本の戦国時代も、1586年天正大地震で大きな被害でています。
ルイスフロイスの報告や他に神社仏閣の記録にも残ってるそうです。
きっと徳川家康は、戦国時代終わって新しい町を作るのにいろいろ考えたことでしょうね。

今年のNHKの大河ドラマは楽しみに見ていますが、こうした視点は描かれるのかしら…

東京の雪はひどかったようですが、雷が鳴ったとは。あちこちで雪の重みでつぶれたところがあるらしいですが、雪に慣れていない地方は新潟や北海道のように備えがない分大変です。足もとだけみていてもどこに災難が降りかかってくるかわからない。こういう時は部屋でのんびりが一番ですね。晴耕雨読ならぬ、晴歩雪読を実践。
時代小説は自分たちの住んでいるエリアとかぶると歩いていても読んでいても楽しいと思います。歴史はいろいろと学ぶことも多いけど、一つ間違えば面白くなくなってしまうのに引きつける魅力があるのはやはり作家の力ですね。学校の教科書ももっと面白くできないかしら。
また雪が降るかもしれないとか、気を付けてお過ごしください。

ulalaさん、藤沢周平の時代小説を読んでいると、江戸時代が現代にダブってきます。ほんの少し前の時代って感じです。

戦国時代はまったく異なる世界ですが、江戸時代となると商人や一般庶民が前面に出てきて、お侍さんもプライドは高いけど貧乏だったりして、生活苦の浪人家族が裏店で町民と一緒に住んでいたりします。

その中でいろんなトラブルや事件が発生するわけですが、実際の江戸でも同じようなことがあったわけですから、幕府がどのように対応したのか興味が出てきます。そうやって興味がわくと、学習意欲もわいてきますわ。
歴史の勉強は、暗記でなく好奇心がものをいうと思いましたね。各地に残る史跡も、その背景にある人間ドラマと関連付けると、強く印象に残るでしょう。

HANAさん、夜中の雷鳴にはビックリしました。それとともに、雪と雷は何らかの関連性があるのだろうと思いました。柏崎で初冬に雷が鳴ると、「あ~雪降ろしだ」と話していたのを、懐かしく思い出しましたわ。

時代小説も数多くありますが、自分の好みに合うかどうかで、関心の持ち方もかなり違ってきますね。藤沢周平は人情を描いている作品が多いので、時代に関係なく共感するのかもしれません。でも読み終わるとすぐ内容を忘れてしまうんです。似たタイトルが多いので、読んだのかまだなのか、わからなくなってしまうんですわ。

年齢とともにメッキリ寒さに弱くなりました。でも足が故障中の妹に比べれば、まだ丈夫なほうかな~。一人暮らしなので、とにかく健康には気を付けようと思っています。どこかが不調になったら、本当に困りますから。HANAさんも、お父様のお世話で大変でしょうが、無理しないでください。

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