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2012/10/12

越後のアートめぐり(1)石川雲蝶

上越新幹線の浦佐駅で妹夫婦と10時に待ち合わせ。妹達は車で来るが、東京駅
から新幹線で行く私より時間がかかるかもしれない。

S

浦佐駅構内には「石川雲蝶」の天井画の大きなレプリカが置かれていた。

新潟もようやく「雲蝶」を観光の目玉にしようと力を入れ始めたようだ。
浦佐駅から無料のリムジンバス(本数は少ないみたい)もあるようで、永林寺に
行った時そのバスを目にした。

京都辺りにあったら、とっくに話題になっていただろうけど、雲蝶作品がある
お寺の檀家でもあまり関心なさそうだから、世間に知られるのにずい分時間が
かかった。雲蝶の価値を発見してくれた人に感謝したい。

駅でまず割引クーポンつきのパンフを貰い、さっそくスタート。
スタンプラリーはパスしたけど、クーポンで永林寺のクリアファイルとワイナリー
のグラスをゲットした。教えてくれたHANAさんに感謝。

「雲蝶」巡りは、パンフに載っている浦佐周辺の4ヶ所にした。非公開のところも
多いし、車だといっても結構時間がかかるので、再訪しなくちゃね。

廻る順序は運転手(つまり妹の夫)にすべてお任せ。最初に「龍谷寺」に向う。
ナビがあるから場所はすぐ分かるかと思ったが、田んぼと山に囲まれた小さい
集落のあぜ道を行くのはちょっと大変だった。
観光タクシーなら、スムーズだろうけどね。

ようやく集落の奥にある龍谷寺を見つけた。お寺近くの広場では「運動会」を
やっていた。この集落なんかも、ほんのひと昔前までは、人里離れひっそりと
していただろうが、今は車ですぐに町に出られる。この数十年の変わりようは
天地がひっくり返ったようなものだろう。

S_2
(観音堂。ここから入る)

S_3
(本堂。観音堂から長い廊下がのびている)

龍谷寺は、本堂が代表的禅建築、慈雲閣観音堂がインドグプタ王朝様式で、こんな
小さな村にはちょっと不釣合いなほど、立派なお寺だった。観音堂から本堂に
入ると長い廊下が続き、その上の欄間に雲蝶の彫刻がほどこされていた。
躍動感があって、力強く浮き上がって見える。妹と二人「すっご~い」と歓声を
あげた。広々とした本堂の畳の間をあちこち歩いて、欄間のレリーフを見る。
繊細で上品な植物の浅彫りもある。

私達以外に観光タクシーでやってきた夫婦がいたが、その二人が帰り、先ほど
までいたご住職が出かけてしまうと、このお寺にいるのは私と妹だけになった。
お宝がいっぱいあるのに無用心だな~。拝観料は200円ということだが、それも
「廊下の片隅に置かれた箱に入れておいてください」と言われただけ。箱には
500円玉や100円玉がいくつか入っている。盗まれる心配なんてしないのかな。

でもそのおかげで、雲蝶彫刻やお寺の雰囲気をノビノビ味わうことができた。

妹の夫は車の中で留守番。いちばん有名な西福寺だけ見ればいいらしい。
次に行くのは「穴地十二大明神」。すぐ近くにあるのだが見つけ出すのに苦労
した。

S_4

穴地集落の入口に見事な一本杉があった。この辺りは雪深い地域だから、大きな
杉の木は大事な目印だったんだろう。

S_5

「穴地十二大明神」は近くの民家に隠れてしまいそうな小さな神社だった。
人の気配はなく、入口の貼り紙に「戸を開けたら、帰るとき閉めてください」と
いうようなことが書いてあった。戸を開けてみると、中は4畳半ほどの広さしか
なかった。傍らに「寄せ書きノート」がおいてあった。

ここには未完成の雲蝶の彫刻がある。龍谷寺のあとでこちらの彫刻にとりかかった
らしいが、何か気にくわないことがあって彫るのをやめてしまったのかしら。
雲蝶は「越後のミケランジェロ」といわれているが、キャラクターはカラヴァッ
ジョに似ているような気がする。

S_6
(向拝の竜と獅子。未完成作品は本堂の中の欄間の彫刻)

龍谷寺、穴地十二大明神がある南魚沼地域は「八海山」のふもとにあたる。
「八海山」と聞いてお酒しか思い浮かべない私だが、ここは信仰の山で山伏の
修験場として名高いのだとか。山好きの妹の夫はそのあたりのことに詳しいので、
案内してもらうことにした。

S_7

10月20日に「大火渡祭」が行われるということで、道々には幟が沢山たて
られていた。

S_8

この「八海山尊神社」は、立派な接待所などもあり、全国から信者が来るのに
ふさわしい堂々たる佇まいだった。

S_9

広場におかれた「火渡り」用の薪にブルーシートがかけられ、祭りの始まるのを
待っていた。

S_11

S_10
(身を清める前に入る洞窟)

八海山尊神社を後にして、石川雲蝶といえば必ず紹介されるお寺「西福寺」と
「永林寺」に向う。この二ヶ所は観光の目玉と期待しているだけあって、各所に
案内板があり、道に迷うことなくたどり着くことができた。

「西福寺」の見ものは、浦佐駅に大きなレプリカがあった「開山堂」の天井彫刻
だ。ここには解説のテープが回っていたので、分かりやすかった。団体も来て
いたが、テープがひと通り説明し終わるとみんな出て行くので、ちょっと待てば
ジックリ見学することができる。

S_12
(外から見た開山堂)

S_13

雲蝶の彫刻のためにお堂を建てたのか、お堂を建ててから雲蝶に依頼したのか、
どちらにしても雲蝶の才能を信じて疑わず大仕事を依頼した住職は偉かった。
またその期待をじゅうぶん汲んで、お寺の随所に素晴らしい彫刻や絵を残した
雲蝶もたいしたもんだ。

最後に訪れた「永林寺」はいちばん観光施設的だった。ミュージアムグッズならぬ
お寺グッズが廊下や広い本堂のあちらこちらに置かれている。
和尚さんが雲蝶との賭けに勝って、本堂を埋め尽くす作品群を造らせたという
から、永林寺はもともと「信仰ひと筋」のお寺ではないってことかな(^o^;)

ふくよかな天女の透かし彫りを見ようとすると、ギッシリ並んだ檀家の位牌に
お尻を向けなければならないが、このお寺はそんなことに頓着しないようだから
気が楽だ。この天女、雲蝶の理想の女性かな。表情も良いけれど、温かみのある
背中がまた良いのよね~。

廊下にあるお守りの山を見て、妹は「こんなに置きっぱなしにして、黙って持って
行かれても分からないじゃないの」と心配していたが、お守りを盗んだら逆効果
だよね~。仏罰が当たるものね~。

南魚沼のお寺はどこも、こんな奥地にあるとは思えないほど、大きく立派だった。
お寺は、深い雪のなかで必死に生きてきた人々の、心の寄りどころだったのだ
ろう。またこれほどのお寺だからこそ、雲蝶も力いっぱいその才能を発揮できた
のだろう。

商売っ気が出てきたとは言っても、新潟のお寺や神社はどこも鷹揚に構えていて、
こんな貴重な作品があるというのに警戒心が薄すぎるような気がした。
観光客が増えるにつれ、どんどん変わっていくだろうけど。

S_14
(永林寺の前のコスモスとススキ)

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コメント

いやぁ~うらやましいです。4つもじっくりと回られたんですね。

龍谷寺も個性的なお寺ですね。
宇佐駅には私が行ったときにはレプリカありませんでした。
小さな案内があるだけでしたよ。
みどりの窓口の人も「石川運蝶をめぐる駅から観光タクシー」って言ってもすぐに通じなかったから開山堂は知っていても越後のミケランジェロは知らない人が多いみたいですね。もったいない。
でもきっと変わってくるんでしょうね。

開山堂も永林寺も素晴らしい彫刻がたくさんあって時間の余裕があったらもっと見ていたかったです。私は30分という制限があったのであわただしかった。今度は私はレンタカーしていきます。他のところの作品も見てみたいです。
ろうまさんは里帰りするたびにちょっとずつ回れますね。いいね!

魚沼市観光協会の石川雲蝶ガイドブックを電子ブックで見てきました。
http://mixpaper.jp/scr/viewer.php?id=4df9767f75790
立派なガイドブックですね。
今回TMさんがこのブログで紹介くださるまで、石川雲蝶、全く存じませんでした。
ものすごい天才肌の人ですね。
エネルギッシュで作品の訴える力がとても強くて圧倒されます
来年同業者の研修親睦旅行に、実物見に行こうと提案したいと思います。

HANAさんのおかげで石川雲蝶を思い出すことができました。
これより後になったら、こんなに好き勝手に見られなくなるんじゃないかしら。

龍谷寺は、お寺としてはいちばん気に入りました。広々として立派なお寺なのに、「好きなように見てください」と言って、ご住職までいなくなってしまうんですもの。檀家の皆さんが、いつも自由に出入りしているんでしょうね。妹と二人奥までづかづかと入って、雲蝶作品を鑑賞してきました。

車だとマイペースで見て廻れるメリットがありますが、道がわかりにくくて、目的の神社仏閣にたどり着くのに苦労するかもしれません。ナビもあぜ道は分からないんでしょうね。

うららさん、雲蝶の電子ガイドブックのご紹介、ありがとうございます。「新潟物産館ネスパス」に行って石川雲蝶のガイドパンフを貰ったんですが、それよりだいぶ中味が濃いです。新しく作ったのかしら。写真も迫力ありますね。

研修旅行にはぜひ新潟にいらしてください。今回は他にもいろいろ行きました。新潟でこんなに多彩なアートを体験できるとは思ってもいませんでしたわ。また書きますので、よかったら参考にしてくださいませ。

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