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2005/10/19

ローマの思い出(2)脱税天国イタリア

表に出ない経理だから日本語で処理しても何の問題もないし、日本人経営者に
とってはむしろその方が便利だったが、ビジネスをやっているからにはすべて
裏だけで済ませるわけにはいかない。銀行との取引も必要だし、公共料金の支払も
あるし、何より税務署への申告がある。

だから表と裏の両方のつなぎ役ができるイタリア人がどうしても必要で、その役割
を担っていたのが中年の女性会計士だった。

この人は日本人経営者のアドバイザーで、税務署関係だけにとどまらずイタリアの
様々なしきたりについて指南していた。

イタリア人は働かないというイメージがあるが、この人は違っていた。
独身で元貴族という彼女は、たまにオフィスにやってきて仕事をするのだが、
デスクに向かって書類を作成し始めると、もう他のことなど眼中になくなる。

猛然とペンを走らせては、書き損じた書類をグシャグシャ握りつぶして、あたり
構わず投げ捨てる。狭い部屋はあっという間に紙くずの山。
すぐ隣にゴミ箱を置いておいても、その中に紙くずが入っていたためしがなかった。
まあそれだけ仕事に熱中していたということだろう。

ある日のこと、この会計士Tさんが血相を変えてやってきた。
近いうちに税務署の調査が入るというのである。
こんな時のために、税務署やその他のお役所には、情報源となる人物を確保して
あった。もちろんお金はかかるが、税金が浮くことを思えば安いものだ。

ところで、言い訳するようだが、会社が脱税していたかどうか私は関知していない。
申告はすべて経営者とTさんがやっていたのだから。
でももし私のデータが税務署に知れたら、節税努力がすべて水の泡になるだろう
ことは、容易に想像できた。

もちろん、Tさんの立場も危ない。
「あなたの部屋にある書類を、今すぐ全部燃やしてちょうだい」
Tさんは私に厳命した。その頃私はアパートの一室で金庫とともに暮らしていて、
会計書類は全部その部屋にあったのだ。

「とんでもない」私は大慌てで拒否した。
だってこれら真のデータが無くなったら、今会社にいくらあるのか、資金繰りを
どうするか、従業員に払う給料はいくらか、何も分からなくなって、仕事が出来
なくなってしまう。

私は必死に抵抗し、けっきょく、会社から遠く離れた田畑の堆肥の中に隠す
ということで決着したのだった。

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