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2005/04/11

ノルウェイの森

遅ればせながら「ノルウェイの森」を読んだ。
村上春樹って、何となく遠い感じがしていたんだけど、この人はバリバリ団塊の
世代だったのね。

団塊の世代っていうと、戦後の上昇志向の空気をたっぷり吸って、何でも見て
やろうとばかりに海外に飛び出したり、高度成長の波に乗って目的に向かって
まっしぐらに突き進んだりと、現実的なイメージが強いのだけど、ノルウェイ
の森の登場人物や出来事やとりまく社会はどれも存在感が薄い。

私が一番ありそうに思ったのは、精神病患者のケア施設の描写だった。
確かにこういう施設があって、こういう人達がいて、こういう事柄が起こる
だろうと、ここばかりはスンナリ納得できたのだけれど。

でもそれ以外は、主人公のワタナベくんにしても、団塊の世代の生々しさがないし、
どの登場人物も輪郭がぼんやりしていて観念的。現実に生きている人間らしくない。
特にイメージがつかめないのがレイコという女性。ワタナベくんより19歳年上
ということは、青春の真っ只中を戦争で過ごしたはずなのに、そんな重さがまるで
感じられない。

戦争は何の空想も夢も入り込む余地のないリアリティそのものだと思うし、そんな
状況は人間形成に決定的な影響を及ぼしたと思うんだけど、レイコさんの中に
その名残がないのは不思議だ。

でもニートフリーターがあふれる現代では、そんな不確かな感覚が若者の共感を
呼ぶんだろうな。
もっとも考えてみれば、私のように「モラトリアム人間のはしり」みたいな団塊
世代もいるから、若者はいつも時代も基本的にそんなに変わらないってことなの
かも知れない。

今晩のNHK「クローズアップ現代」「団塊世代が社会を変える」というテーマ
だった。戦争を知らない最初の世代、自由と民主主義という全く新しい価値観の
中で育った世代、700万人という圧倒的多数を占める世代がまもなく定年退職を
迎える。これは日本社会に大きな変化をもたらすだろうという内容だった。

ノルウェイの森のワタナベくんも、まさにそんな世代の一人。
ワタナベくんが、2005年の現在どんな人生を送っているのか、どんな日々を
積み重ねてきてどんな悩みや喜びを抱えているのか、かなり興味がある。

出来ることなら続きを村上春樹に書いてもらいたいわ。

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コメント

田中も最近読みました。

ノルウェーの森の後、ダンス・ダンス・ダンスや羊をめぐる冒険を読み、先週は、海辺のカフカを読みました。

ノルウェーの森以外は超自然的なところがあるので、人によって好き嫌いはあると思いますが、なかなか楽しく読めます。

田中さん、こんにちは。
本屋さんに行くと「海辺のカフカ」文庫本が山積みになっているので、村上春樹は一度読んでおかなくては‥‥と思ったんです。
お勧めの本もぜひ読みたいと思いますが、私の場合はすべて図書館からの調達なので、手に入った順番に読んでいきます。

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